大口投資家は株高方向にシフト


金融危機から一転して、
世界的な株高傾向になっていますが、
現在の株高は持続可能か、
それとも一時的なものになるのか。

その答えのひとつに、
リスク選好を強める大口投資家の動きにあるかもしれません。





 
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツは、
機関投資家の顧客の動きに関する最新のリポートで
「マクロの状況は回復しており、金融市場は正常化しつつある」
と指摘し、
2003年の株安局面と同様、ディフェンシブ銘柄物色から、
より広範囲な循環に変化しているようです。

ステート・ストリートは、
11兆ドルを超える規模のカストディ顧客に完全な「潮目の変化」を感じていて、
安全第一の超弱気モードだった資産配分が2月以降、
成長を想定した新たな強気型に変化しました。

今や大口投資家は2008年5月以降で最も楽観的かつリスク選好モードとなり、
あらゆる要素が世界的株高を裏付けています。

同社では、
「今回のラリーは、息切れするどころかまだ序の口」
と見ているようです。




ステート・ストリートの見方を裏付けるような、
データが多々あります。

 
そのひとつに、
ファンド調査会社EPFRグローバルがまとめている株式ファンドの週間資金流出入動向によると、
5月6日まで1週間は新型インフルエンザや米銀健全性検査(ストレステスト)の結果といった不安材料があったにもかかわらず、
約37億ドルの流入超でした。


流入資金の多くが向かった先は新興国株式。
しかしそれ以上に重要なのは、資金のがどこから出たかです。

大口投資家が長期投資を敬遠して資金を一時的に待機させる
マネー・マーケット・ファンド(MMF)。

EPFRによると、
その1週間は16億ドルの流出超でした。

 

ロイターが日本、英国、欧州、
アメリカの機関投資家を対象に毎月実施している国際分散投資調査も、
4月は株式の比率が今年最高となりました。


また、洗練された投資家がリスク警戒感から最も敬遠していた
銀行セクターについて随分冷静になったという証拠もあります。

RBSのエコノミスト、アラン・ラスキン氏が指摘するのは、
金融セクターのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアム曲線。

これまで長期よりも短期の方がワイドな逆転状態だったのが平坦化。
投資家の懸念後退で銀行の短期のデフォルトリスクに対する保証料が下がったことになります。

ラスキン氏によると
「実体経済という車輪に金融が油を差せば、株式市場の熱狂が起こりやすい」
と話しています。

 


外為市場では、低金利の通貨で資金を調達し、
高金利通貨に投資するキャリートレードも息を吹き返しています。

豪ドルは対円で3月末から約9%、
ニュージーランドドルは対円で6%上昇しています。




ただし、それでも新たな強気市場が保証されたわけでなく、
再び調整が起こる可能性もあります。

今年1月、2月と株式市場が低迷した際、
多くのアナリストが売られ過ぎと指摘。

スタンダード・バンクの
スティーブ・バロウ氏は
「世界の株は上昇し続け、
債券利回りは上昇するとみられるが、
こうした動きは、持続的景気回復のサインというより流動性の高まりで生じたものだ」
とみています。

株式市場の回復が本格的なものかどうかは、
まだはっきりとした答えはありませんが、
最近の大口投資家の動きは、
回復が本物との見方が大勢を占めているようです。

それでもまだ、
大きなリスクをとる投資は慎重に行動しましょう。






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Tracked: 2009-05-24 07:39