アメリカの年金基金はこれまで、高いリターンを求めてヘッジファンドへの投資を拡大してきましたが、
ここにきて投資意欲が冷え込んでいます。
ヘッジファンドの運用資産は年金基金からの資金流入を受け、
過去3年で1兆7000億ドルに倍増しました。
しかし、最近になって巨額の損失を被ったことで、年金基金の間でヘッジファンドへの投資を見直す動きが広がってきています。
業界関係者によると、
年金基金はヘッジファンドのリターンが過去最悪だったことや、
ロックアップ期間の長さを嫌気して、
一時的にせよ投資にブレーキを踏んでいます。
9月にはオハイオ州の学校職員で構成する基金が、
110億ドルのポートフォリオの10%をヘッジファンドに投資する計画について、
しばらく直接投資を取りやめることを決めました。
すでにプライベートエクイティや不動産に投資していて、
ヘッジファンド投資への承認を得ていたフロリダ州の政府職員で構成する基金も、
ヘッジファンド投資を見合わせています。
アメリカ最大の年金基金、
カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)が2002年にいくつかのヘッジファンドに10億ドルを投資して以来、
教員、警察官、交通局など、数多くの公務員退職年金基金が追随してヘッジファンド投資に乗り出しました。
しかし、今年になってS&P500種株価指数が31.5%下落するなか、
ヘッジファンドのリターンも平均でマイナス20%に落ち込んだことで、
急速にヘッジファンド投資に対する不安感が広がったのです。
ヤニ・パートナーズのチーフストラテジスト、
デビッド・ハマースタイン氏は
「投資家は、ヘッジファンドが他の多くの投資対象と同様、
信用リスクや株式リスクと無縁でないことを認識し始めた」
と指摘し、
「あらゆる投資家がヘッジファンドから資金を引き揚げている」
と述べています。
ヘッジファンド以外への投資でも年金基金のポートフォリオが損失を被った結果、
一部の基金ではヘッジファンドに投資できる比率の上限を超えてしまったことも、
ヘッジファンドからの資金引き揚げを招く要因になっています。
年金基金がヘッジファンド投資から完全に手を引くと予想する声は聞かれませんが、
業界関係者によると、
基金は一段と投資先の選別に厳しくなっているようです。
エンジェルズ・インベストメント・アドバイザーズの
マイケル・ローゼン氏は、
「われわれのところに、リスク評価を依頼する投資家が増えている。
ヘッジファンドのリスクや投資規律に関する検証や理解が進んでいる」
と話しています。
急な相場の変動にヘッジファンドも苦戦しているようです。
慎重に考えて投資先を選ばなければいけませんね。
年金基金がヘッジファンドへの投資を縮小
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