サウジアラビアに世界株安の影響は軽微


世界中の株式市場が急落しています。

中東湾岸産油国の株式市場も9月に入り大幅な下落が続いている。アラブ市場最大の時価総額を持つサウジアラビアの株式市場も9月に20%下落、9月27日の株式指数(TASI)はついに7000ポイントの大台を割り込んでいます。
サウジ株式指数は年初来で43%も下げているのです。





サウジアラビアでは国民の大半が株式投資家であることから、株価下落は今年後半に入り個人消費や旅行などにも影響を与えています。

毎年夏休みになると国民の多くは家族で海外旅行に出るが、今年が節約型になっているようです。
最近ではこれまで好調だった自動車販売にも陰りが出ているようです。


個人には影響が出ていますが、
湾岸産油国の金融機関にとって今回の金融危機の影響は、全体的に微小です。

2003年から続いた非常に好調な経済成長のおかげで、民間企業向け与信や個人向けの消費者ローンが拡大し、
サブプライム関連の金融商品や欧米市場に目を向ける必要がなかったのです。

投資銀行の数も近年急増していますが、もともとデリバティブ(金融派生商品)のような商品は
シャリア(イスラム法)準拠を重視する当地では人気がなく、
新規株式公開(IPO)や株式売買手数料、域内で投資する運用益などが主な収益源です。


石油価格は最近下落していますが、中東湾岸産油国にとって現状のレベルは経済成長を妨げるものではありません。

サウジアラビアで損益分岐点となる石油価格は、数年前は1バレル40ドルだと言われていたが、石油関連設備の追加的な投資コストが近年高騰したため、
今では1バレル50ドルになっているようです。




・アラブ経済の景気予想

まず、世界的に石油需要が急減することにより石油価格がさらに下落し、
湾岸産油国の実体経済が影響を受けます。

しかし、仮に1バレル70ドルまで下がっても財政は均衡するし、近年急速に積み上がった莫大な対外資産を考えると、
さほど深刻な問題にはなりません。

短期的な減速はあっても、人口が拡大する中国やインドなど新興国の石油・石化需要もいずれ回復が見込まれます。

また、湾岸産油国向けの海外からの直接投資が減少しても、国内の流動性は非常に高く、
資金的には問題になりません。

購買力の高い消費市場が存在していて、
消費関連の外国企業にとっての魅力も変わらない。

全体で見ると、湾岸産油国の経済は抵抗力があり、金融危機からはさほど深刻な影響を受けないということです。


9月にサウジアラビアを訪問した国際通貨基金(IMF)のストラウス・カーン専務理事は、
「湾岸産油国の銀行は、最近の金融混乱に対して極めて弾力性が高く回復力があることが分かった、
(略)国際投資環境を安定させる役割を果たす政府系ファンド(SWF)の投資を歓迎する」とコメントしています。

政府系ファンドの投資行動として、
湾岸産油国にとって今後石油の需要が増えるのは中国やインドなどアジア諸国です。
理由は、将来にわたって確実な石油需要が見込める相手だからです。

政府系ファンドの域内・アジア重視志向は今後強まりそうです。

アラブからの投資が今後もさらに活発化しそうです。




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